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和裁で成功するには~独立準備編~

和裁で成功するには  ~独立準備編~

一人前の技術を身に付け「いざ開業!」といってもそれなりの準備や期間が必要です。
独立してスムーズに開業するためにも、技術習得期間中にあらかじめ様々な開業準備を進めておく必要があります。

まずは事業計画を立てましょう。
ここでいう事業計画とは、開業までのスケジュールや収支計画などを明らかにしておくことです。
計画が曖昧だと目標の方向性が見えなくなり、運営に迷いが出てきてしまいます。逆に計画がしっかりしていると目標に向かって今するべきことや経営的問題にも的確に判断することができます。

独立準備編

経営基盤を固める

事業をはじめるにあたり、まず経営基盤を個人事業にするのか、会社組織にするのか、2つの選択肢があります。
2006年の新会社法により最低資本金制度が廃止されたことで資本金1円でも株式会社を設立できるようになりました。個人事業がいいのか、会社組織がいいのかは和裁事業の内容や目標によって異なり、ここでは判断できませんので、ご自身の経営スタイルに合った方をお選びください。
個人事業と会社組織ではそれぞれメリット・デメリットがあります。設立の手続きや決算方法、税金関係などいろいろありますので、様々な視点を考慮し思案してください。
また、収入源を仕立て代とするのか、指導料にするのかなど、事業内容についても明確にしておきましょう。

開業資金の準備

和裁の場合、ランニングコストはあまりかかりませんが、道具などの初期費用はある程度かかります。裁ち板、検針器、和裁道具一式、コテ釜、糸(セット)、などの和裁に関するものや、電話(FAX)、パソコン、などのOA機器、また、宣伝広告費として、WEBサイトや自社パンフレット、名刺などの製作費などがあげられます。
しかし、他の職種と比較して開業資金は安く済むので、なるべく自己資金で賄えるように資金を蓄えておきましょう。
あと、法人の場合はもちろん、個人事業の場合でも事業専用の口座を開設するようにして下さい。

職場の確保

とにもかくにも仕事をする場所を決めなければなりません。自宅を使用する場合は問題ないですが、仕事場を必要とする場合、物件を探さなければなりません。
和裁師は物を売る商売ではないので、それほど立地には拘らなくてもいいですが、ただ、和裁の生徒を募集する場合などは交通に便利な場所の方がいいでしょう。
また、取引先に急な仕事がある場合、やはり近い業者に仕事を依頼することもあるので、なるべくメインの取引先からは離れていない方がいいでしょう。(他の和裁業者と比べ有利となります。)

取引先の確保

開業といっても仕事がなければ始められません。とはいっても、いきなり仕事を確保することは簡単なことではないので、まずは技術を習得した和裁所などから仕事を斡旋してもらったり、取引先を紹介してもらうことから始めるのがいいでしょう。
そして、仕事の軌道が乗ってきたら顧客や呉服関係の取引先などの開拓を進めていけばいいと思います。

パートナーの確保(個人事業の場合)

和裁士といっても着物を縫うことだけではありません。納品、支払いや入金の管理、日々の伝票処理、事業の宣伝や営業など、細かい仕事がたくさんあります。それら全てを一人でこなすのは到底不可能なので、あなたをサポートするスタッフが必要になります。
例として、
・仕立てができる人を雇う
・弟子を育て戦力にする
・既婚者の場合、夫婦で仕事を分担
などが挙げられますが、あなたの右腕となり、信頼できる人材を見つけることも非常に大切な要素となります。

一ヵ月のキャッシュフローを計算する(計画する)

事業をはじめる前に一ヵ月の資金繰りを計画するのは難しいことですが、ある程度の計画を立てておくことをお薦めします。
まず、月に掛かるコストを出してみます。
材料費
外注費(加工代)
賃借料
通信費
水道光熱費
印刷文具費
消耗品費
運賃
運送車両費
など
次に収入ですが、コスト以上の収入がないと赤字になるので、それには月にどのくらいの収入があればいいのかを大雑把でいいので出してみてください。
収入に目標ができるので、それにより月々の仕事量はどのくらいあればいいのか、縫い上げるペースはどのくらい必要なのか、を把握できることになります。

仕立て代を決める

主な収入源が仕立の場合、その仕立て代を決めることはかなり重要な要素となります。
まずは同業者がどのくらいの仕立て代で設定しているのか調査してみてください。(インターネットで簡単に調べられます。)
だいたいの相場を把握した後、自身の技術、縫う早さ、仕事量と月々の支出を考慮して慎重に設定してください。
仕立て代の価格設定に関しては色々な考え方があります。職人としてのプライドで高く設定しているところや、質より量を重視し、安く設定しているところなど様々です。
個人的な意見ですが、本当に着物を愛している人は仕立てにも拘りがあり、いい仕立てには高い仕立て代でも納得してくれると思います。
しかし残念ながら現在では仕立ての良し悪しが分かる人が少なくなり、また和裁業界全体的に仕立て代が安くなっている傾向にあります。

商号を決める

法人の場合は社名、個人事業の場合は屋号を決めてください。法律上は商号と呼びます。
商号を付けなくても法律的に問題ありませんが、付けた方が断然便利でメリットがあります。
商号を決めるポイント
・覚えやすい
・事業内容が分かりやすい
・懲りすぎない
・類似商号は避ける

開業の手続き

開業に関する手続きについては、和裁に限らないことなのでここでは詳しく述べませんが、会社として運営する場合は、会社設立手続きが必要になります。
少なくとも1ヶ月程はかかるので余裕を持って準備してください。また、事業をはじめる前は、個人事業も含めて税務署などの関係官庁への届け出が必要になります。
開業の手続きに関しては各関係官庁へお問い合せ下さい。


次へ:和裁で成功するには part④ ~独立経営編~

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