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和裁で成功するには~独立経営編~

和裁で成功するには  ~独立経営編~

※ここでいう和裁の営業力とは、仕立てを請け負うための交渉を指します

独立・経営編

仕事量の確保

とにかく仕事の量を絶やさないようにすることです。
それには、不断の努力が必要です。
取引先から安定した仕事量をもらうためには、常にきれいな仕事をし、納期もしっかり守ることです。それを続けることにより取引先から信頼され安心して仕事を任されるようになります。
呉服店や百貨店の呉服部は、複数の仕立て業者と契約しています。そのため、どこに仕立てを依頼するか選択するわけですが、選ぶ側としては、きれいに早く仕立てるところに依頼するのは当然のことです。

どんな注文にも対応する

仕事量の確保にも通じることですが、基本的には頼まれた仕事は断らないようにすることが賢明でしょう。
技術習得編で述べましたが、お客様や取引先に「これはできません。」と簡単に諦めるのは今後の信頼関係に影響を及ぼします。
逆に困難な仕事に対しても、あらゆる手段を駆使し、相手に喜ばれる結果が出せれば信頼関係が生まれ、「また次も頼もう。」ということになります。
「あそこに頼めば大丈夫。」と思われるようになると仕事依頼も増えることになります。

営業力をつける

取引先から安定した仕事を貰えているとしても、予期せぬことで仕事量が激減することもあるかもしれません。そうなった時に備えて次の取引先を考えておかなければなりません。
ここでいう和裁の営業力とは、仕立てを請け負うための交渉を指しますが、自分の足を使って呉服メーカーなどに自分(会社)を売り込む必要があります。
まずは、その呉服メーカーなどがどこの仕立て業者と契約しているのか事前に調べておくとよいでしょう。そして実際に足を運び、和裁経歴、資格、和裁技術など、自分や会社のアピールポイントを伝えます。技術に関しては自分が仕立てた着物類を持参するのもいいでしょう。
工料に関しては、他の和裁業者と比較し自身に合った価格を提示してください。
工料が指定された場合でも自身の縫える量を配慮して判断してください。
そして大事なのは、やはり人間性ですので、過剰に飾らず熱意を持って交渉することがいい結果に繋がるでしょう。

地域を大切にする

インターネットが普及したとはいえ、地域性を重視することはとても大切です。弊社でも近隣の方々から仕立ての依頼を少なからず受けます。
開業当初は地域住民にチラシなどを配布して宣伝するのもいいでしょう。そこでいい仕事をすればお客様の方から宣伝してくれることもあり、事業が少しずつ拡大していきます。そうした地道な作業が後々実を結び、仕事量の増加に繋がるのです。

独自性を出す

昔ながらの仕立て業を続けていくことはとても大切ですが、より収入を上げるためには他ではやっていないことにチャレンジすることも必要になってくると思います。
仕立てに関してもキャンペーンやサービスを行ったり、独自の仕立てを作りだしたり、相手にとって付加価値を見つけることも1つの方法です。
仕立て以外にも着物に関することで収入になることを試行錯誤してみてください。ちなみに弊社では、代表者が創作着物を考案し、現在ではその販売活動を行っています。また、一般者向けの和裁教室を開設し、今後は着付け教室を新設する予定です。

着物を必要とする人に目をつける

着物が普段着として着用しなくなった現在では、一般の人をターゲットにした顧客の増加はなかなか難しくなっています。しかし、着物を職業柄などで普段から着る人はたくさんいます。そういった方々と関わりを持ち顧客を獲得するすることも1つの手段です。
(収入目当てだけで人脈を広げることを薦めているわけではありません。)
例えば、
・日本舞踊
・茶道
・旅館
・着付け関係
・歌舞伎、落語、文楽、長唄
・舞妓 芸妓
・俳優 モデル
などに関わる人たちは、頻繁に着物を着用します。なかなか関係を作ることは難しいですが、ツテなどがあればチャレンジしてみてください。

宣伝を絶やさない

仕事の量を増加させる手段の1つとしてインターネットがあります。現に仕立てをネットで注文できる和裁業者はたくさんあります。
インターネットのいいところは、24時間常に情報を発信できることなので宣伝には欠かせない媒体です。
開業と同時にぜひWEBサイトを開設してください。和裁生徒を募集する際にも役に立ちます。
若者の情報収集の大半はインターネットですが、高齢者に対しては新聞の折り込みチラシや広告誌、また予算があれば着物雑誌に掲載するなど、ターゲットの年齢によって宣伝方法を使い分けることも必要です。

経理に強くなる

なぜ経理が必要なのかというと、確定申告や決算書を作成するためだけではなく、経理をすることにより毎月の収支が数字に表れ、今の状況を客観的に把握でき、今後の改善に役立てることができるからです。
経理をしっかりしておかないと無駄な経費を出し続けたり、利益があるのかないのかさえ分かりません。
ただ、経理の知識を身につけるのはかなりの教養が必要になります。その時間を費やすならば、日頃の帳簿は自分で処理するとしても、あとは経理士などに依頼するのが得策ではないでしょうか。(その分本業に時間を使えます。)
いずれにしても、数字を見て現状を把握できる力を身につけることはとても重要です。

情報を入手する

和裁業界の情報は常に敏感になってください。仕立て代の推移や顧客獲得の取り組み、海外縫製の現状など、同業者が現在どのような状況にあるのか把握しておくことは重要です。
また、呉服業界全体の現状も把握しておく必要があります。呉服メーカーや消費者の動向など呉服市場の現状を常に意識しておかないと今後の運営にも影響が及びます。

着物加工業者との関係を築く

着物はあらゆる職種の手により1枚の着物が完成します。蚕を育てることから始まり、織り、染めなどの工程を経て、最後に和裁士が仕立てを行い完成します。
仕立ての段階に入っても様々な職種の人達と関わりを持つことになります。シミ抜き、洗い張り、丸洗い、湯のしなどの修復にかかわる職種や紋入れ、染めの職種など、着物の加工業者とは深い関係を持ちますので、よりよい業者と取引きを行い信頼関係を築いてください。

人脈を広げる

和裁業は1人で黙々と仕事をするイメージがありますが、先に述べたように着物加工業者や様々な取引先との人間関係があります。
それとは別に和裁を営む同業者との関わりを持つことも大切です。何か問題があった時や仕立てに関しての相談、また和裁業界の情報入手など、互いに助け合い意識を高め合うことができるからです。
そのための方法として、和裁団体に加入することをお薦めします。和裁団体は、和裁の振興、普及、情報交流などを目的にしているため、加入すれば人脈を広げることができ、和裁の講習会などにも身近に参加でき、自身の向上にも繋がります。

お客様第1主義

「何のために働くのか」それは収入を得るためです。
しかし、それだけではありません。和裁は製造業でありサービス業でもあるので、もう一方の側面に「お客様のために」という意識を持つべきです。
技術の向上も自分だけのためだけではなく、お客様にいい仕事を提供するという意識を持つことが大切です。
常にお客様のことを念頭に置いて仕事をしていくと、それが相手にも伝わり、よりよい関係が生まれるのではないでしょうか。
仕立てたものをお客様にお届けし、喜ぶ姿を見た時「またがんばろう!」という気持ちにさせてくれるのもお客様なのです。


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