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和裁士の減少と価値の向上

和裁士の減少と価値の向上


和裁志望者の減少

衣裳研究会は着物の仕立屋です。そして第1のモットーは「後継者の育成」です。

しかし、近年「和裁をやろう」と思う若者が減少し、多くの若者を育成したくてもそれが出来ない状況です。

ではなぜ減ったのか?

さまざまな原因が考えられますが、

「機械化に伴うものづくり文化の低迷」
「日本人のきもの離れによる呉服業界の低迷」

などと世間では言われています。

根本的には時代背景が及ぼす影響により、若い和裁志望者が減少したことは確かです。

そのことについてここで説明することもないと思いますので、ここでは少し目線を変えて「和裁志望者の入口」の問題について考えてみたいと思います

和裁志望者の入口問題

和裁に対する認知度の低下

着物が普段着として着用されていた時代は、和裁も将来就きたい職業の1つとして選択肢の中に含まれていたと思います。(特に女性)

しかし現代では若者が進路を考える時、生まれ育った生活環境の中で「きもの」に馴染みの薄い若者が「和裁をやろう」とはまず考えないと思います。
それ以上に今では「和裁」という言葉を耳にしたことがない若者もいるのではないでしょうか。

和裁に興味があっても就職や学び場まで行き届かない

現在でも「和裁をやろう」と思う若者がいないわけではありません。(弊社にも毎年和裁希望者から問い合わせがあります)

例えば、
・親が和裁業を営んでいる。
・縫物が好き
・日本の伝統技術に興味がある。
・ものをつくる仕事に就きたい。
・きものが好きで、きものに関わる仕事に就きたい。

などの理由で和裁を志望する若者がいます。

しかし、志望した後に問題があるのですが、次の2つのケースに分けて説明します。


①和裁を営む企業に就職を求める場合

学生たちは就職活動をする際、各学校の就職ガイダンスや企業のWEBなどで就職先を調べるわけですが、正社員として求人を出している企業が和裁の場合極端に少なくなっています。

近年、雇用契約を結ぶ和裁所が減少し、そのため学校の求人票やハローワークなどにも和裁の求人が少なくなってしまいました。

今の若い世代は、安定した日給や社会保険などの労働条件に重点をおく傾向があるので、就職という形で求人が出されていない和裁所などは敬遠されがちになっています。

もちろん正社員として受け入れる和裁所などもありますが、前述のとおりその数は減少しているので選択肢がかなり狭まれてしまいます。


②和裁を学ぶ場を求める場合

①のように就職を求めるのではなく、まずはしっかりした技術を身につけようと考え、和裁の学び場を求める若者もいます。

しかし、その学び場である和裁の学校や和裁所なども近年減少している状態です。

数が少なければ選択肢も狭まり、通うための時間や他の様々な条件が自分に合わない状況が生まれ、和裁を断念するケースも少なくないと思われます。

また、ひと昔前までは「手に職を付ける=修行」という概念があたり前だったのですが、和裁に関しても一人前になるためには最低でも4~5年かかります。

その間報酬は少なく、訓練もそれなりに厳しく、忍耐も必要です。
そうした「修行」「低収入」「忍耐」というものが昔に比べると敬遠されがちな傾向があるのも現実ではないでしょうか。

和裁士の減少は、「きものの需要」や「和裁の将来性」などに起因するところが大きいですが、今述べてきたように、

1和裁自体が認識されていないこと
2和裁をやりたくても、その環境が整っていないこと

ということも大きな要因ではないでしょうか。

若い和裁志望者を増やす。

では、若い和裁士を増やすためにはどうすればいいのか。

簡単(無責任)に言ってしまうと今述べてきたことが逆の状況になればいいのです。

1和裁の認知度が上がる
2和裁を学ぶ(働く)場の環境が整う

そして、日本の全体的な景気が上昇し、きものを着る人が増え、和裁の需要が高まり、そして和裁が魅力ある仕事として位置付けられれば若い和裁師は増えることでしょう。
言葉にするのは簡単ですが、現実的にはそう簡単なことではありません。
和裁士の減少については、「和裁士の将来性」の項目にも記述しています。

和裁士の価値

現在、腕のいい和裁技術者は全国にもたくさんいます。

しかし、その大半は高齢化が進み、将来的には大幅に減少されると予測されています。

前述のとおり、技術を受け継ぐ若い世代の和裁士も減少傾向にあります。

このままでは和裁技術者が益々減る一方ですが、見方を変えれば和裁人口が減るにつれて、その価値は上昇します。

特に若い和裁技術者はこれから貴重な存在になります。

着物は日本の民族衣装なので決してなくなることはありません。

そのため、確かな技術を身に付ければ、和裁技術者としての存在価値が上がり、末永く重宝されます。

和裁は、人として必要とされる人生を送ることができる職業の1つではないでしょうか。


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