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和裁をどこで学ぶか

和裁をどこで学ぶか

あなたが和裁に興味を持ち、

「和裁を学びたい!」と思ったとします。

そこで、「でも、どこで学べばいいの?」

ということが、まず問題になると思います。


人それぞれ学ぶための目的やニーズが様々なので最終的には、
「自分に合ったところを見つけるには自分で調べるしかない」
ということになります。

ですが、和裁をこれから学ぼうという人は、『どのような「学ぶ場」があるのか』ということも分からないのではないでしょうか。

そこで、この章ではこれから和裁を学ぼうと思っている初心者の方が、自分に合った学び場を見つけるために、代表的な「和裁を学ぶ場」をご紹介します。
(あくまでも初心者向けです。)


その前に、まずは和裁を学ぶ目的を明確にすることが大切になります。

目的は人それぞれ違うと思うのですが、例えば

・とにかく手に職を付けたい
・趣味程度に学びたい
・和裁のプロを目指して本格的に学びたい
・将来和裁で生計を立てたい
・資格が欲しい
・自分で自分の着物を仕立てられるようになりたい
・在宅でできる仕事をしたい
・オリジナルな着物を自分で作りたい、デザインしたい

など、いろいろあると思います。

目的を大きく分けると、
和裁を「本格的に学ぶ」のか「趣味として学ぶ」のか、この2つに分かれると思います。

一般的には
前者の場合は、和裁所や大学・短大や専門学校などになります。
後者の場合は、和裁教室やカルチャースクールや各講習会などになります。

ご自分の目的に合った学ぶ場を選択してください。

そして、目的が決まったら、次に「和裁を学ぶ場」を把握します。

以下に、「和裁を学べる場とその特徴」を簡単ですがご紹介します。


和裁の大学・短大の服飾関係コース

着物の基本的な知識を学ぶことができ、カリキュラムも豊富で、染色や刺繍、着付け、茶道など幅広く学ぶことができる。
その反面、他の機関に比べると和裁を集中的に学ぶことはできないので在学中にプロとしての和裁技術を習得するのは難しい。
入学金等の費用は高額で、教育機関なのであたり前だが報酬はない。


和裁の専門(専修)学校・各種学校

運営形態で分別すると、学校独自で運営か、企業などが運営母体となっているか、の2つに分かれる。(どちらも在学期間は2年~4年)
前者の特徴としては、きものをトータル的に学べるところが多く、和裁に限らず様々な分野の知識や技能を幅広く身につけることができ、就職の際など選択の視野が広がる。
その反面、縫製を集中的に学ぶことは難しい。
教材や入学の際の費用は高額である。

後者の特徴としては、年間を通して縫製が中心となる。
企業などが母体となっているので、実際の商品が教材として提供される。(産学共同システム) その分教材などの費用は低額で、また、技術が身に付くと報酬を与えるところもある。
過程を終了すると母体となっている企業(和裁所など)で和裁を続けられるシステムとなっている場合が多い。


和裁の職業訓練施設(職業能力開発校 職業能力開発短期大学校)

職業能力開発促進法に基づき、定められたカリキュラムに沿って和裁を訓練する。
実務に近い科目が多いので縫製も集中的に学べる。
訓練期間は1年~2年と短いが訓練終了後はハローワークを通じて就職に繋がりやすい。
企業などと関わりのある職業訓練施設では、訓練終了後、その関連会社などで和裁を続けられるケースが多い。
現在、和裁に関する職業訓練施設は全国でも少なく、縮小傾向にある。


和裁所

(ここでいう和裁所とは、個人経営と会社経営のものを指し、和裁のプロを育成するところを指す。)
運営形態も様々で、入口も見習いから就職まで和裁所によって異なる。
社員として受け入れる和裁所は現在少なくなってきているが、技術が身についた後に社員として雇用関係を結ぶところもある。
大抵の和裁所は呉服店や百貨店と契約を結び「仕立屋」として営んでいるので、教材は商品を縫うことになる。したがって学びながら報酬が支給されることが多い。
一般的に上記3つの学校関係に比べると和裁以外のカリキュラムは少ない。
期間についても様々だが4年~5年に設定しているところが多く、その間で技能検定などの資格を習得できるように指導している。
和裁所に入る時の費用(就職以外)やその他の費用についても様々だが、学校関係に比べると低額である。


和裁教室

和裁教室といっても上記の和裁所のように本格的に学べるところから趣味としての和裁まで様々である。
大半は個人経営で、少人数制のところが多い。
縫う材料は、教材として用意されているもの、実際の商品、材料を持参など、その教室によって異なる。
費用は低額で、じっくり自分のペースで学ぶことができるが、短期間でプロの和裁技術を習得するのは難しい。


和裁のカルチャースクール

(ここでいうカルチャースクールとは、新聞社や放送局のマスメディアが提供するいわゆるカルチャーセンターと呼ばれるものである。)
講師は和裁学校の教師や和裁所の講師などが務めている。
内容的には和裁教室とほぼ同じだが、和裁教室よりも趣味性が強い。
費用も比較的安く、日程に関しても通いやすくなっている。


和裁の通信教育

現在和裁に特化した通信講座を持つ和裁学校は片手に余る程の数しかない。
学校が独自で作成した教材(テキスト)を購入し、材料は自分で用意してカリキュラムに沿って進めていく。
時間的に余裕がない方や、趣味として和裁を学びたい方にはメリットはあるが、しっかりした和裁技術を得ることは難しい。
学校によっては自分が縫ったものを実際にみてもらえるところもある。


和裁の独学

和裁に関する教材(テキストやビデオ)は数多く出版されているが、一般的に和裁に関しては活字で説明することは難しいとされているので分かりにくい教材が多い。
初心者向けの分かりやすいテキストもあるが、やはり通信教育と同じように趣味の和裁以上は望めない。
和裁はテキストなどでは学べない要素(針の運び方、布の手さばき、など)がたくさん含まれているので結果的に「自分なりのやり方」になってしまう傾向がある。
自分が楽しむための和裁ならば費用もあまりかからずメリットは多い。(インターネット講座などもある)


和裁の講習会

このページに載せることはなかったが、一応和裁を学べる場なので記載した。
和裁団体や学校、和裁関連の事業所などが企画し、全国各地で開催されているが、あくまでも講習会なので単発なものがほとんどである。(例えば、夏前の浴衣縫製の講習や冬前の綿入れ袢纏の講習など)
初心者を基礎から教える講習は稀で、和裁のある部分にポイントを絞った講習や短期間で1つの和服を縫い上げる講習会が大半である。



和裁を学ぶ場の比較

◎適している ○中間 △あまり適していない

プロとしての技術和裁以外の学習趣味としての和裁資格習得費用
大学・短大の服飾関係
専門学校 母体学校
専門学校 母体企業安~高
職業訓練施設安~高
和裁所安~高
和裁教室安~高
カルチャースクール
通信教育
独学
講習

※あくまでも一般的な見解に個人の考えが含まれたものです。



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